10年程前に比べて太陽光発電の売電単価が安くなったとよく聞きます。その分設備の性能は上がり価格は安くなっています。
ECOな時代だからこそ太陽光発電システムを屋根の上に設置すればお得。
新築住宅に太陽光発電を乗せているところも多く売り出されています。契約単価は毎年下がっていき今後太陽光発電を新たに導入した場合本当にお得なのでしょうか?
新築住宅の打ち合わせ段階なので慎重に調べてみました。
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太陽光発電の売電価格はいくら?
経済産業省の資源エネルギー庁の発表によると2018年から2019年の売電価格は24円~28円になっています。
一般家庭はおおよそ10kW未満に当たります。
出力制御対応機器設置義務がある場合と義務がない場合では売電価格は異なります。
出力制御対応機器とは、インターネットを経由し遠隔操作によって太陽光発電量を一時的に制御することにより、電力の買取を拒否する装置です。この装置の義務がある場合は、売電価格に差が出ると不公平なので設置義務がある場合は売電価格を+2円値をつけて買い取るという仕組みです。
出力制御対応機器設置義務は、下記の電力供給区域に義務付けられているものです。
- 北海道電力
- 東北電力
- 北陸電力
- 中国電力
- 四国電力
- 九州電力
- 沖縄電力
太陽光発電システム導入にかかる費用
初期費用
太陽光発電システム導入にかかる費用は以下のものがあります。
- パネル(モジュール)
- パワーコンディショナー
- 設置架台
- ケーブル
- リモコン
- モニター など
これに加えて工事費がかかるようになります。
- 太陽電池モジュール設置工事
- 架台工事
- 配線工事 など
太陽光発電の維持費
- 電気代
- 点検費
- 清掃費
- 保証・保険料
- 所得税(減価償却控除を超えた場合)
10kW以上の発電を行う場合は、固定資産税を納める必要があります。
まとめてみるとこれだけの費用項目があります。
いざ、導入しようとすると費用が掛かってしまい躊躇してしまいます。
太陽光発電売電価格の計算方法
導入にこれだけの費用が掛かってなおかつ買取単価も下がっている。
本当に太陽光発電を導入してお得になるのか計算してみましょう!
その前に単位の確認をしておきます。
W(ワット)=発電する数値 1000W=1kW
kW(キロワット)=発電する数値(消費の場合は消費する数値)
kWh(キロワットアワー)=1時間当たり発電する電力量(消費の場合は1時間あたりに消費する電力量)
太陽光発電の計算方法
年間予想発電量を求めることができれば契約単価と書けることで年間予想発電金額を求めることができ、何年後に資金回収できお特になるのか具体的な計算ができるようになります。
パネルの年平均日射量 × 損失係数 × システム容量 × 365日 ÷ 1
パネルの年平均日射量は、年間予想発電量の算出を参考にします。
場所は佐賀
損失係数は73%
太陽光パネル6kW
方角は15度
傾斜角20度
3.94kWh/㎡/日 × 73% × 6kw × 365日 ÷ 1 × 97.8% =6160.3kWh
3kWの設備を導入した場合の年間予想発電量は6160.3kWhになります。
年間発電量 × 契約単価 = 年間売電価格
6160.3kWh × 26円 = 160,168円(円未満四捨五入)
お得かシミュレーション
太陽光発電システム導入総額 200万円と仮定
売電価格26円
11年目から8円と仮定
年数 | 年間売電額額 | 売電収入合計 | 維持費 | 収支 |
1年目 | 16万円 | 16万円 | 1.5万円 | -185.5万円 |
2年目 | 16万円 | 32万円 | 1.5万円 | -169.5万円 |
3年目 | 16万円 | 48万円 | 1.5万円 | -153.5万円 |
4年目 | 16万円 | 64万円 | 1.5万円 | -137.5万円 |
5年目 | 16万円 | 80万円 | 1.5万円 | -121.5万円 |
6年目 | 16万円 | 96万円 | 1.5万円 | -105.5万円 |
7年目 | 16万円 | 112万円 | 1.5万円 | -89.5万円 |
8年目 | 16万円 | 128万円 | 1.5万円 | -73.5万円 |
9年目 | 16万円 | 144万円 | 1.5万円 | -57.5万円 |
10年目 | 16万円 | 160万円 | 1.5万円 | -41.5万円 |
11年目 | 5万円 | 165万円 | 1.5万円 | -36.6万円 |
12年目 | 5万円 | 170万円 | 1.5万円 | -31.7万円 |
13年目 | 5万円 | 175万円 | 1.5万円 | -26.7万円 |
14年目 | 5万円 | 180万円 | 1.5万円 | -21.8万円 |
15年目 | 5万円 | 185万円 | 1.5万円 | -16.9万円 |
16年目 | 5万円 | 190万円 | 1.5万円 | -12.0万円 |
17年目 | 5万円 | 194万円 | 1.5万円 | -7.0万円 |
18年目 | 5万円 | 199万円 | 1.5万円 | -2.1万円 |
19年目 | 5万円 | 204万円 | 1.5万円 | 2.8万円 |
20年目 | 5万円 | 209万円 | 1.5万円 | 7.7万円 |
計算していくと19年目にプラスになります。
収支だけ見ていくと19年にプラスになりますが、自家消費することで電気代を抑えることができより太陽光発電のメリットを受けることができます。
一度プラスになってしまえば今後マイナスになることはほとんどあり得ません。
太陽光発電システムを導入したいと考えたらまずは見積もりを取ることが先決です。
迷っていても実際に見積してみないことには、本当にお得なのか損なのかわかりません。まずは、見積もりを取って今後の将来を具体的に考えるようにしましょう。
さいごに
太陽光発電=お得という考えは昔に比べてそこまでお得ではなくなってきました。住宅ローン35年と並行して考えると半分を超えたくらいからはお得になることがわかりました。
短期間で見ればお得ではありませんが、今後住み続けると仮定して前向きに太陽光発電システム導入を考えていこうと思います。