2019年10月から消費税が10%に引き上げられます。
買い物をするなら増税前に安いうちに買っておきたいですよね。
住宅を買うとなると2%の増税でもウン10万円単位で値段が変わります。
住宅購入するなら急いで買わなくちゃ!
そんな焦りを持つと一生で一度のことで失敗を招きかねません。
増税前の駆け込み需要に対して、増税後に住宅を買った場合にも有効的な減税対策として住宅ローン控除が10年から13年に延長することが決まりました。
今から住宅を購入しようと考えている人は、ギリギリ消費税増税前に購入することができますが、どちらがお得なのでしょうか?
重要ポイントとしては2点です。
- 住宅ローン控除期間が13年に延長
- 住まい給付金の支給条件変更
この2点に注目してお得かお得でないか判断していきましょう。
Contents
住宅ローン控除延長
住宅ローンの控除期間が消費税増税後は3年間延長され最大で13年間受けることができるようになりました。
現在の住宅ローン控除は下記のようになっています。
居住の用に供した年 控除
期間各年の控除額の計算
(控除限度額)平成19年1月1日から
平成19年12月31日まで15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(15万円)11~15年目
年末残高等×0.4%
(10万円)平成20年1月1日から
平成20年12月31日まで15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(12万円)11~15年目
年末残高等×0.4%
(8万円)平成21年1月1日から
平成22年12月31日まで10年 1~10年目
年末残高等×1%
(50万円)平成23年1月1日から
平成23年12月31日まで10年 1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)平成24年1月1日から
平成24年12月31日まで10年 1~10年目
年末残高等×1%
(30万円)平成25年1月1日から
平成25年12月31日まで10年 1~10年目
年末残高等×1%
(20万円)平成26年1月1日から
平成33年(2021年)12月31日まで10年 1~10年目年末残高等×1%
(40万円)(注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円
法改正後は、
- 1年目から10年目が年末残高の1%
- 11年目から13年目の控除は建物価格の2%
が控除の対象となります。
土地 | 2000万円 | 建物 | 1500万円 |
借入額 | 3500万円 | ||
年数 | 年末残高 | 控除額 | 計算式 |
1年目 | 3400万円 | 34万円 | 年末残高×1% |
2年目 | 3300万円 | 33万円 | 年末残高×1% |
3年目 | 3200万円 | 32万円 | 年末残高×1% |
4年目 | 3100万円 | 31万円 | 年末残高×1% |
5年目 | 3000万円 | 30万円 | 年末残高×1% |
6年目 | 2900万円 | 29万円 | 年末残高×1% |
7年目 | 2800万円 | 28万円 | 年末残高×1% |
8年目 | 2700万円 | 27万円 | 年末残高×1% |
9年目 | 2600万円 | 26万円 | 年末残高×1% |
10年目 | 2500万円 | 25万円 | 年末残高×1% |
11年目 | 2400万円 | 10万円 | 建物×2%÷3年 |
12年目 | 2300万円 | 10万円 | 建物×2%÷3年 |
13年目 | 2200万円 | 10万円 | 建物×2%÷3年 |
11年目から13年目の控除額は、年末残高×1%または建物×2%÷3年の額どちらか低い方が対象となります。
1500万円 × 8% =120万円
1500万円 × 10% =150万円
消費税の差額は30万円
上記の例の場合の控除額は30万円
建物が1500万円であれば増税後購入でも変わらないという結果です。
土地と建物だけの差がなくなるというだけで住宅ローンを組む手数料や利息など支払額は増加します。
住まい給付金の要件
住まい給付金は増税後収入範囲と支給額が拡大されます。
現在消費税8%ではこのようになっています。
収入額 | 給付基礎額 |
425万円以下 | 30万円 |
425万円超475万円以下 | 20万円 |
475万円超510万円以下 | 10万円 |
消費税10%に増税されると年収も大幅に拡大されます。
収入額 | 給付基礎額 |
450万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 10万円 |
現在年収425万円以下の方が住宅を増税前に購入する場合、住まい給付金は30万円の支給になります。
しかし、消費税増税後に購入すると50万円も給付金をもらうことができるのです。
もし、現況で悩んでいて住まい給付金をもらうために増税後に購入した方が確実にお得になるといえます。
年収要件で微妙なラインの場合は、増税まで待つというのも一つの手です。
結局お得なのは?
増税前に購入するか増税後に購入するのかお得なラインとしては以下の通りです。
年収に応じた住まい給付金額を比較する
住まい給付金は年収に応じて給付額が違うのでまずは比較します。
年収以下 | 8% | 10% |
~425万円 | 30万円 | 50万円 |
~450万円 | 20万円 | |
~475万円 | 40万円 | |
~510万円 | 10万円 | |
~525万円 | 0円 | |
~600万円 | 30万円 | |
~675万円 | 20万円 | |
~775万円 | 10万円 | |
775万円超 | 0円 |
住まい給付金の額が8%と10%の差額が建物価格の2%に値すれば確実に増税後に購入した方がよいという判断になります。
増税価格に満たなくても3年分の住宅ローン控除を受けることができお得になります。
建物価格の値段で判断
土地には消費税はかかりません。課税対象は建物のみです。
前項目で紹介したように1500万円の建物の場合11年目から13年目の住宅ローン控除額は30万円になります。
建物1500万円に対して2%の増税額は30万円です。
どの価格帯で購入しても増税後の消費税と11年目から13年目の控除額は同額になります。
ただし注意しておきたいのが、建物価格の控除額よりも年末残高の控除額の方が下回った場合は増税前の方がお得になるといえます。
建物のみ購入する場合や支払期間が短い場合は年末残高の控除額の方が下回る可能性があるのでそこが分岐点といます。
消費税増税後購入でも住宅ローン控除を使って実質負担差額は0円になる。
住まい給付金要件枠拡大により増税後がお得になる。
例外としてキャッシュで買う場合や住まい給付金の年収要件から外れる人は増税前に買う方がお得となる。
住宅購入は慎重にいい物件が見つかれば買おう
いい物件が見つかったら住宅購入することを決めた方がいいでしょう。
実家暮らしの場合は、もう少し見極めたければ比較検討する時間をゆっくり設けることも可能です。住まいが賃貸の場合は、いい物件だと判断できるのであれば購入することをお勧めします。
不動産の物件はなかなか条件に合うものは出てきません。次に見つかるのが10年先、20年先になることがないこともいえません。
いい物件が見つかって決断することができなかった場合、一生住宅購入に結びつかず賃貸暮らしになるという人も多くいるのも現状です。
消費税8%だから焦って買うという考えは一般的な収入や豪邸を建てない限りは増税後も増税前も国の制度を利用した場合大幅に変わることはありません。